えびっちょのお話

作家 北見すみれの作品集です

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

真っ白なノート

まっ白な ノートを いただいた 何を書いたら いいのだろう 小さなノート 何を書いても その中に うもれて しまいそうになる いえ うもれてなるものか・・・と 思いがわきだってくる 日々のつぶやきを 真っ白なノートに いただいたノートに 書いてゆく 大事に…

幸せ

幸せは どこからおりて くるのだろう 幸せは 心の中の あたたかい思いから めの中の 涙のしずくとなって おりてくるのでしょう 七色の 光の色に 染められて めの中の しずくとなって わいてくるのでしょう キラキラ キラキラ 七色の しずくとなって おりてく…

マリーゴールドの道

あなたと行った マリーゴールドの道 ずっと続いた マリーゴールドの道 オレンヂの花のじゅうたんの帯 やさしく 風にそよいでいたよ 車の中からのぞく マリーゴールドの道 しんけんな まなざし 車を運転する あなた 私は横で どきどきしながら 乗っていたよ …

―心の中に―

心の中に さなぎがいる 今 まさに羽化しようとしている ガサガサ ガサガサ 背がされて ちょうの羽が出る 心の中で やわらかなちょうの羽がひらく やっと 私が 生まれる 心の中のさなぎが 羽化して蝶になる やっと 私が 生まれかわれる ―心の中に―

春風ふく

春風ふく 土手に ふきのとう つんで 天ぷらにして食べたら おいしいよ 道端に 菜の花の黄色のじゅうたん つぼみをつんで おひたしにして からしみそで食べたら おいしいよ あれ あちらの土手には つくしがたくさん はかまをつむのは大変だけど フライパンで…

すみれ

道路の横 アスファルトの溝に すみれが咲いていた すみれよ すみれ 薄紫と紫の花弁をひろげ 春の風に身をつつみ 可憐に首をかしげ 咲いている すみれよ すみれ 地中に深く根をはって 地中に優雅に咲いている 路側帯に ずうっと紫の細い帯 亡くなった母が 薄…