えびっちょのお話

作家 北見すみれの作品集です

真っ白なノート

まっ白な

ノートを いただいた

何を書いたら

いいのだろう

小さなノート

何を書いても

その中に

うもれて しまいそうになる

いえ

うもれてなるものか・・・と

思いがわきだってくる

日々のつぶやきを

真っ白なノートに

いただいたノートに

書いてゆく

大事に しなくては・・・。

 

 

幸せ

幸せは

どこからおりて

くるのだろう

 

幸せは

心の中の あたたかい思いから

めの中の

涙のしずくとなって

おりてくるのでしょう

七色の

光の色に 染められて

めの中の

しずくとなって

わいてくるのでしょう

キラキラ キラキラ

七色の

しずくとなって

おりてくるのでしょう

 

幸せは

あたたかい心になって

笑顔の輪になって

めの中の

七色の 光とともに

まあるい輪になって

遠い空の中からも

幸せは

 おりてくるのでしょう

 

幸せは

 七色の輪にいつもかこまれているから

わからないで

 いるのでしょう

今が 一番幸せなんです

 生きているから 

 幸せなんです。

 

頑張ろう!

 

 

マリーゴールドの道

あなたと行った

マリーゴールドの道

ずっと続いた

マリーゴールドの道

オレンヂの花のじゅうたんの帯

やさしく 風にそよいでいたよ

 

車の中からのぞく

マリーゴールドの道

しんけんな まなざし

車を運転する あなた

私は横で

どきどきしながら

乗っていたよ

 

車から ながめる

マリーゴールドの道

オレンヂのまばゆい色が

どこまでも 続いていたよ

私は 心の中で

あなたと私は

ズーっと

マリーゴールドの道ぞいに

歩んで いこうと

心にちかったよ

マリーゴールドの道が

消えるまで

 

 

 

―心の中に―

心の中に さなぎがいる

今 まさに羽化しようとしている

ガサガサ ガサガサ

背がされて

ちょうの羽が出る

心の中で

やわらかなちょうの羽がひらく

やっと

私が 生まれる

心の中のさなぎが

羽化して蝶になる

やっと

私が 生まれかわれる

―心の中に―

春風ふく

春風ふく

土手に ふきのとう

つんで

天ぷらにして食べたら

おいしいよ

道端に

菜の花の黄色のじゅうたん

つぼみをつんで

おひたしにして

からしみそで食べたら

おいしいよ

あれ

あちらの土手には

つくしがたくさん

はかまをつむのは大変だけど

フライパンでいためて

お砂とう、おしょうゆ入れて

玉子とじにして食べたら

おいしいよ

春風ふいて

お腹も 笑っているよ

 

 

すみれ

道路の横

アスファルトの溝に

すみれが咲いていた

すみれよ すみれ

薄紫と紫の花弁をひろげ

春の風に身をつつみ

可憐に首をかしげ

咲いている

 

すみれよ すみれ

地中に深く根をはって

地中に優雅に咲いている

路側帯に

ずうっと紫の細い帯

亡くなった母が

薄紫色の着物着て

たたずんでいるよう

そして

ストレスがある所でも

頑張って

力強く

可憐に咲くよう

   生きるよう

そう

春風に身をまかせ

伝えてくださるような

そんな気がする

 

 

母の姿

高校の

卒業の春

学校の帰り道

母が言った

 

「何事なく 卒業できて

     良かった」・・・と

 

大学の

入学式の時

バス停の横にある

桜の木の下

薄紫の着物を着た

母が

とても綺麗だった

 

今でも卒業の時の言葉と

入学式で母が たたずむ姿は

私の

のうりに浮かんでくる